【レビュー】In the Silence by Asgeir

今回はアイスランドで絶大な人気を誇るAsgeirのIn the Silenceをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Asgeir
アルバム名:In the Silence
リリース:1/27/2014
トラックリスト:
Higher
In the Silence
Summer Guest
King and Cross
Was There Nothing?
Torrent
Going Home
Head in the Snow
In Harmony
On That Day




その声と音楽センスで爆発的人気を得たアウスゲイル

日本でもその人気を背景にフジロックをはじめ来日を頻繁に果たしているアウスゲイルですが、本国アイスランドでは日本での人気にも劣らないすさまじさを見せています。

というのも、2012年にリリースされた本作のアイスランド詞作品Dyro I Dauoapognがアイスランドにて爆発的ヒットを記録し、同年にアイスランドで最も売れたレコードとなったほか、アイスランド全人口の10%がアウスゲイルの作品を持っていると言われるほど。

本国での人気を追い風に、インターナショナル版として発売されたのが本作In the Silenceです。
もともとDyro I Dauoapognではアウスゲイルの父がアイスランド詞をつけていたようですが、その歌詞をアーティストのジョングラントが英訳詞をつけたことで話題となりました。

1曲目のHigherからアイスランドの雰囲気が感じられる雄大な曲展開となっていますが、当のアウスゲイルはこういった雄大な曲を作るのに苦労はしていない模様。

インタビューでも、Higherはバックのシンセに合わせて何も考えずにマイクの前で歌ってできた曲と話していましたが、この曲を聞いていると、とてもそんな魔法のようにスイスイと出てくるような単純な代物には思えません。

そんな抜群の作曲センスを有しているのは、6歳の頃から音楽に親しみ、音楽を心から楽しんできた彼だからこそ成せるわざなのかもしれません。

また、彼の抜群のメロディはアメリカやイギリスのミュージシャンとは一線を画していますが、それはアイスランドという土地が強く影響を与えた結果でしょう。

私もアイスランドという国をぐるりと旅しましたが、そこにある恐ろしささえ感じてしまう巨大な山脈、地平まで見渡せる雄大な草原、夏でも顔をのぞかせる氷河。
全てが私たちの想像を絶する雄大さでそこに佇んでおり、それらと共存するかのように生活する人々。

私たちが当たり前と考える物質的な豊かさは無いかもしれませんが、私たちが失ってきた精神的な豊かさを彼らは持っており、それが芸術活動へ思う存分発揮されているのだろうなと感じさせられました。
そういった環境で育ったアイスランドのミュージシャンは、どこか優しく、どこか自然への畏怖も感じさせる、そんな我々ではとても思いつかないような音楽を常に届けてくれます。

アウスゲイルの代表曲King and Crossにも夏のアイスランドに吹き抜ける爽やかな風と、耳をすますと聞こえてくる鳥のさえずり、そんなアイスランドの風景が溶け込んでいるようです。




アイスランド語版もおすすめです

日本でアウスゲイルのIn the Silenceを既に手に取られている方はほとんどが英語版をお持ちかと思いますが、実はアイスランド語版も日本ではAmazonはじめ一部で流通しています。

私も両方を聞く中で、なぜかオリジナルのアイスランド語版に引き付けられてしまい、いつしかそちらばかり聞いてしまうようになりました。

まだ本作を未聴の方も、既に英語版をお持ちの方も、ぜひアイスランド語版を一度聞いてみてください。言葉では表現しづらいのですが、両者で少し曲の持つ雰囲気が違っていることを実感いただけるのではないかと思います。

↓Amazonでもアイスランド語版をご購入いただけます。

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