【レビュー】 Niandra lades and Usually just a t-shirt by John Frusciante

今回は元レッドホットチリペッパーズのギタリストJohn Fruscianteの1stソロアルバムNiandra lades and Usually just a t-shirtをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:John Frusciante
アルバム名:Niandra lades and Usually just a t-shirt
リリース:11/4/1994
トラックリスト:
1. As Can Be
2. My Smile Is A Rifle
3. Head (Beach Arab)
4. Big Takeover
5. Curtians
6. Running Away Into You
7. Mascara
8. Been Insane
9. Skin Blues
10. Your Pussy’s Glued To A Buliding On Fire
11. Blood On My Neck From Success
12. Ten To Butter Blood Voodoo
13. Usually Just A T-Shirt: Untitled
14. Usually Just A T-Shirt: Untitled
15. Usually Just A T-Shirt: Untitled
16. Usually Just A T-Shirt: Untitled
17. Usually Just A T-Shirt: Untitled
18. Usually Just A T-Shirt: Untitled
19. Usually Just A T-Shirt: Untitled
20. Usually Just A T-Shirt: Untitled




チリペッパーズ時代からは想像もつかないほどの悲しい音

アルバムの説明に入る前に、まずは1曲目のAs Can Beを聞いてみてください。

ギターがメインの簡素な演奏と、途中から入り込むジョンの搾り出すような呻くような歌声。
人はここまで負の感情を音に乗せることができるのかと、驚かされます。

このアルバムが発売されたのは1994年ですが、音源自体はチリペッパーズの名盤Blood Sugar Sex Magik期に録音が完了していたようです。
アルバム名が表す通り2つの期間に録音された異なる作品、1~12曲目までのNiandra lades、13曲目以降のUsually just a t-shirtが組み合わさった作品で、その音は明確に前半と後半で異なっています。

前半のNiandra ladesはギターをバックにジョンが弾き語りをしています。
ラジカセを目の前にギター片手に歌ったのではないかと思わされるような音質ですが、そのせいもあってかそれぞれの曲からは鬼気迫るほどの悲しみと苦悩を感じ取ることができます。

2曲目のMy Smile Is A Rifleはイントロこそ優しいギターの音色が聞こえてきますが、ジョンの声は正気の人が出すとは思えないような金切り声。
本作の次に発表されたアルバムSmile From the Streets You Holdでは「ドラッグを買う金欲しさに作った」と発言していますが、既に1stアルバムであるNiandra lades and Usually just a t-shirt作成時からかなりのドラッグ中毒に陥っていたであろうことがその音から察することができます。

ドラッグ漬けの人間が出す音を限りなくリアルに収録したらどうなるのか。
その答えがこのアルバムでしょう。

チリペッパーズの名盤Blood Sugar Sex Magikに収録されているUnder the Bridgeでは優しいギターの音を聞かせてくれていましたが、それとは間逆の音です。
Under the Bridgeを温かみのある音と表現するなら、今作に収められているのは冷たい音、それこそドラッグで自身の破滅が近づいている人間がその苦しみを体から搾り出した際の負の塊とでも言うのでしょうか。
人をゾッとさせるような雰囲気を持っています。



Usually just a t-shirtから感じられるのはその後のジョンのソロ作品につながる独創性

前半のNiandra ladesはジョンの弾き語りがメインとなっていますが、後半のUsually just a t-shirtはギターを中心にしたインスト曲が続きます。

相変わらずな負のイメージを背負った曲もあれば

2000年代にリリースしたジョンのソロ作品に通ずるような音が聞けたりと、この後の作品との連続性も垣間見ることができます。

 

このアルバムは万人におすすめできる作品とは思いませんが、聞いた人は必ず何か感じるものがある作品だと思いご紹介しました。
一時入手が非常に困難だったようですが、現在は再販を受け入手しやすくなっていますので、興味が沸いた方はぜひチェックしてみてください。


 

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