【レビュー】Ash by Ibeyi

今回はIbeyiの2ndアルバムAshをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Ibeyi
アルバム名:Ash
リリース:9/29/2017
トラックリスト
I Carried This For Years
Away Away
Deathless
I Wanna Be Like You
No Man Is Big Enough For My Arms
Valé
Waves
Transmission/Michaelion
Me Voy
When Will I Learn
Numb
Ash




ラテンの雰囲気を感じさせる姉妹デュオの2ndアルバム

このIbeyiはフランス人とキューバ人の血を引いた姉妹デュオで、その曲を聞くとところどころにラテンの雰囲気を感じられ、その他のアーティストとは一味違った音をいつも届けてくれます。
最新作Ashからもいくつか先行シングルとして公開されていた曲がありますが、その中でも2曲目を飾るAway Awayからは特にラテンのリズムを強く感じられます。

Ibeyiの歌声自体は北欧系のような伸びやかでエモーショナルなものなのですが、バックで鳴っているパーカッションの間の取り方がものすごく独特でこの声とパーカッションが合わさることで「あ、Ibeyiだ」と気づかされます。
演奏はどの曲も比較的スカスカで、どちらかというと最低限の音でボーカルを引き立てている印象を受けます。
それこそ一時のBjorkを髣髴とさせるようなミステリアスさをまといながら、コーラスワークや金管楽器の使い方は完全にキューバのそれを思い起こさせてくれるのです。

私も一時期キューバ音楽に傾倒し、ついにはキューバへ旅行し音楽を現地で楽しんだことさえありますが、その際に感じたソウルを確実にIbeyiというアーティストが消化し現代のポップスと融合させて2017年の音楽シーンへ送り込んでくれています。
キューバ音楽を世に知らしめたキューバンバンドBuena Vista Social Clubのパーカッショニストとして活動していた人物を父にもちながら、パリという地で最新の音楽に囲まれて育った2人だからこそ実現できたのでしょう。

過度に着飾らないその音楽のもとでは歌声とともに吐き出される息のひとつひとつさえもが楽曲を彩る音となり、そこから人間としての肉感が伝わってくるようです。




自分のルーツとともに歩んでいくことの大切さを教えてくれるアルバム

現在は世界各国から登場したシンガーやバンドが世界に通用する内容の音楽を作り上げるのが当然となっていますが、それはUKやアメリカで主流となっている音楽スタイルを模倣しているケースが多いです。

しかし、このIbeyiやアイスランド音楽のように自分の持つルーツと正面から向き合い、それを惜しげもなく出し切ることで見事に人気を得ているケースも増えてきています。

自分の感情を音として表現する限り、自身のルーツと向き合いそれを活かしきることが最高の表現につながるのだろうなとこのIbeyiのAshを聞いていると感じずにはいられません。

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