【レビュー】Ritual de lo habitual by Jane’s Addiction

今回はJane’s Addictionのメジャー2作目Ritual De Lo Habitualをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Jane’s Addiction
アルバム名:Ritual de lo habitual
リリース:8/21/1990
トラックリスト:
Stop!
No One’s Leaving
Ain’t No Right
Obvious
Been Caught Stealing
Three Days
Then She Did …
Of Course
Classic Girl




ファンキーでぶっ飛んでて芸術的

このアルバムは1つの作品として語るのが非常に難しいと感じてしまいます。
というのも、アルバムの前半にはファンクネスをこれでもかと詰め込んだStop!やシングルにもなったBeen Caught Stealingをはじめ比較的聞きやすい曲が並んでいる一方で、後半はプログレかと思うような長尺の曲Three Daysやオリエンタルな雰囲気満載のOf Courseといった曲が並んでいるんです。

ただ、アルバムとして通して聞いていると不思議と最後まで聞ける作品でもあります。
それを成し得てるのはボーカルのペリーファレルの声によるところが大きいのでしょう。甲高さの中に色気を含んだ声は聞き手を引き付けて話さない、もはや反則モノです。
好き嫌いはあるかもしれませんが、ツボにはまった方ならきっと彼の声は時々無性に聞きたくなります。そんな中毒性の高い声です。

彼は音楽以外にも、本作のアートワークも書いたり、現在ではおなじみのロックフェスLollapaloozaの旗振り役であったりと、多方面にわたりその才能を発揮しています。

ファンキーな曲でのラップ調のボーカルもいいんですが、しっとりとした曲に乗ったファレルの声が個人的には好きなんです。
アルバムの最後を飾るClassic Girlではしっとりと歌い上げるファレルの声を聞けますが、クセのある彼の声は決して平凡なスローテンポな曲では終わらせてはくれません。聞き手を引き付ける何かが常にそこにあるんです。

そしてこのバンドの特色のもうひとつが楽器隊の堅牢な演奏。
まず耳に入ってくるのは暴れ馬のように曲の中で駆け巡るデイヴナヴァロのギター。リフを弾かせればファンキーで、ソロを弾かせればバカテクで、正直ギターを弾く方ならこういうセンスが欲しかった!と唸ってしまうような彼のプレイ抜きではJane’s Addictionは語れません。

1曲目のStop!では彼の持ち味のファンクネスがこれでもかと活かされていますのでぜひギターに耳を傾けながら聞いてみてください。

また、リズム隊もしっかりと演奏を支えると同時に、遊び心をあちらこちらに散りばめています。
本作2曲目のNo One’s Leavingのベースラインなんてある意味ギターより目立っているのにもかかわらず、きちんと重低音で曲を下支えしているんですから本当にバランス感覚がすごい。




先ほどからファンキーと何度も繰り返していますが、その曲構成は実はかなり複雑に練りこまれており、プログレほど様式美を追求はしていないものの、プログレのもつ芸術性に似たものをかなりはらんでいます。

ロック好きな方ならぜひ一度は聞いていただきたい作品です。

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