【レビュー】Whiteout Conditions by The New Pornographers

カナダを代表するスーパーバンドThe New PornographersのWhiteout Conditionsをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:The New Pornographers
アルバム名:Whiteout Conditions
リリース:4/7/2017
トラックリスト:
Play Money
Whiteout Conditions
High Ticket Attractions
This Is The World Of Theatre
Darling Shade
Second Sleep
Colosseums
We’ve Been Here Before
Juke
Clockwise
Avalanche Alley




抜群のポップセンスを持ち合わせたバンドが帰ってきた

結成20年を迎えるカナダのバンドThe New Pornographersが2017年にドロップしたのが本作Whiteout Conditionsです。

このバンドはメンバーそれぞれがかなりのキャリアの持ち主で、いわゆるスーパーグループとして人気を博してきました。

過去の作品で、そのスーパーグループが作り出す抜群のメロディセンスは他の追随を許さないレベルに達していましたが、それは今作でも健在です。

アルバムの先行シングルとして発表されたHigh Ticket Attractionsのイントロから良メロの気配が伝わってきます。

このシンセの音使いが少し古臭くて、でもそれがあるからこそThe New Pornographerのポップさにつながるんですよね。

また、このバンドは男女のボーカルを重ね合うことで他のバンドとは異なる響きをもつメロディを届けてくれます。

それは時にコーラスワークとしての美しさを生み出し、時にはHigh Ticket Attractionsのような男女ボーカルの掛け合いという形で表現されたり。

This Is The World Of Theatreではスイートな女性ボーカルが心地良い楽曲に仕上がっていますが、このあたりの楽曲の雰囲気もメインボーカルを担当できるメンバーを複数抱えるこのバンドだから可能なんですよね。

素晴らしいメロディを書き上げた際に、男性が歌うか、女性が歌うかのジャッジを行えるからこそ、これだけバラエティに富んだ楽曲をラインナップできる。本当に今のバンドラインナップは磐石そのもの。




時には良質なメロディに素直に身を任せるのもいいものです

ポップな楽曲を書けるバンドはいくつも世の中にありますが、これまでの20年近いキャリアを通してクオリティを下げることなく良質なメロディを届け続けてきたことがこのバンドのすごいところ。

今回のWhiteout Conditionsはこれまでの彼らの経験の積み重ねをもとに生み出されたことが分かるバンドアンサンブルで、じっくり聞いていると歌メロだけではなく何層にも重なるバックの演奏の美しさにも耳を奪われます。

メディアのレビューを見ていると「もっと耳に残るメロディを期待したのに」といった言葉も見られますが、私は耳障りの良い楽曲だけを詰め込んでもそれは胸やけにつながるだけだと思います。

むしろ、どういったアルバムであれば聞き手が気持ちよく聞き終われるのかをそれまでのキャリアで掴んできたバンド側が、意図的に今回のアルバムのような楽曲ラインナップにしたのではないかと推測します。

小難しい音楽を聞きたいときはありますが、時にはこれくらいキャッチーで素直に乗れる楽曲もいいものです。

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