【レビュー】Sleep Well Beast by The National

The Nationalがバンドとしての新たな方向性を示したSleep Well Beastをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:The National
アルバム名:Sleep Well Beast
リリース:9/8/2017
トラックリスト:
Nobody Else Will Be There
Day I Die
Walk It Back
The System Only Dreams in Total Darkness
Born to Beg
Turtleneck
Empire Line
I’ll Still Destroy You
Guilty Party
Carin at the Liquor Store
Dark Side of the Gym
Sleep Well Beast




The Nationalとデジタルサウンドとの出会い

アルバムからの1stシングルThe System Only Dreams in Total Darknessでうすうす気付いていましたが、このSleep Well BeastではThe Nationalがデジタルサウンドの色を強く押し出したアルバムに仕上がっています。

↓本作への期待をまとめた記事はこちら。

ただ、これまでのThe Nationalとしてのスタイルを崩さない程度にデジタルサウンドを取り込んでいるため、彼らの持ち味であるしっとりとしたメロディは本作でも十分に味わえます。

本作のテーマは家庭の崩壊、ということで歌詞の登場人物も夫婦を連想させる「私」と「あなた」が多いです。

1曲目のNobody Else Will Be Thereはボソボソとつぶやくようなボーカルが、おそらく夫婦である2人の関係について言葉を紡いでいきます。

Nobody Else Will Be There
カテゴリ: オルタナティブ

この曲の後半、Hey babyからの心にもう一歩踏み込んでくるような曲の盛り上がりは何度聞いても素晴らしいです。

この曲は歌詞の解釈が少し難しいですが、曲の盛り上がりを見せるHey Baby以降の内容と、曲のタイトルにもなっているNobody Else Will Be Thereから幸せだった2人の終焉を感じ取れます。

    Hey baby, where were you back then?
    When I needed your hand
    I thought that if I stuck my neck out
    I’d get you out of your shell
    My faith is sick and my skin is thin as ever
    I need you alone
    Goodbyes always take us half an hour
    Can’t we just go home?

しっとりとした1曲目が終わった後に聞こえてくるDay I Dieのアップテンポなイントロがなんとも心地いいこと。

この2曲を続けて聞くことでそれぞれの持ち味を3割り増しにできていますし、このアルバムがそれまでのThe Nationalの作品と一線を画すことを見せ付けてくれます。

シングルとして既に耳なじみのDay I Dieですが、このアルバムの流れの中で聞くとその小気味良いメロディとテンポのよさが引き立っており、単体で聞いていた頃よりも好きになりました。

このアルバムを聞く上で一番の衝撃を受けたのがTurtleneckです。ここまでアグレッシブな曲がThe Nationalにあったでしょうか。

Turtleneck
カテゴリ: オルタナティブ

イントロからThe Nationalらしくない音が聞こえてきますが、聞き手の違和感を払拭しないまま曲を終えてしまいます。

The Nationalとしての新機軸を押し出してきたアルバムですが、このTurtleneckだけは他の曲と比較しても頭一つ飛びぬけて異質です。
(決してネガティブな意味ではありません)

冒頭にも書いたとおり、このアルバムはこれまでのThe Nationalらしさも感じられる作品で、Born to BegはTrouble Will Find Meに収録しても違和感なく聞けそうなピアノが主体の優しい雰囲気の楽曲です。

Born to Beg
カテゴリ: オルタナティブ

アルバム後半に収録されているDark Side of the Gymも同じく過去のThe Nationalを髣髴とさせる楽曲に仕上がっていますが、アルバムの曲順が絶妙で、新しさと懐かしさをうまい按配で届けてくれます。

Dark Side of the Gym
カテゴリ: オルタナティブ

ここまでお話したとおり、これまでThe Nationalが大好きだった方には従来の安定感に加え新たな方向性の音楽で楽しませてくれるアルバムに仕上がっています。

と、同時にThe Nationalの音楽をあまり聞いたことがない方には馴染みやすさを届けてくれる、新旧The Nationalファンにおすすめのアルバムでもあります。

本作をフルで演奏したライブ映像が公開されていますので、アルバムに興味がある方はこちらをまず見てみるのもいいかもしれません。




Sleep Well Beastはインディ盤と通常盤の2パターンがあります

このSleep Well Beastは盤面が青いインディ盤と、盤面が白い通常版が発売されています。

私は青いインディ盤を購入しましたので、その内容をご紹介します。

ジャケットはレコーディングスタジオがモチーフになっている様子。

そのジャケットを開くと鉄の扉でしょうか。果たしてどのような意味を持っているのか。

レコードは青いインディ盤です。写真で見ると真っ青ですが、実物はもう少し深緑がかったような印象を受けます。

歌詞カードもしっかり封入されています。The Nationalは歌詞もじっくり読み込む楽しみがありますからね。

インディ盤で所有欲はかなり満たされますが、オフィシャルサイトなどで通常盤も見ていると白もスタイリッシュでコレクションに加えたくなってしまいます。

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1 件のコメント

  1. ピンバック: The Nationalの新曲たちがいい意味でポップでニューアルバムが待ちきれない | Pom's Records

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