【レビュー】A Deeper Understanding by The War On Drugs

2017/8/25にリリースされたThe War On Drugsの新作A Deeper Understandingが素晴らしい内容でしたのでご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:The War On Drugs
アルバム名:A Deeper Understanding
リリース:8/25/2017
トラックリスト
Up All Night
Pain
Holding On
Strangest Thing
Knocked Down
Nothing To Find
Thinking Of A Place
In Chains
Clean Living
You Don’t Have To Go




前作のドリーミーな作風から一転、目覚めを感じさせる作品へ

前作Lost In The Dreamは作品の名前からも感じられるような、少しドリーミーな雰囲気が感じられる作品に仕上がっていましたが、近作は少しベクトルを変えて夢の世界から目覚めた姿を思わせる音作りになっています。

アルバムの1曲目、Up All Nightをお聞きいただければ私の言っていることがご理解いただけると思います。

アルバムの中には少し夢見心地な雰囲気の曲もありますが、耳につくのはUp All Nightのような勢いのあるバンドサウンド。

アコースティック気味の音が響きますが、それを古臭くしていないのは鍵盤のキラキラとした音と、ドラムのデジタルなアタック音のおかげでしょう。

とことんオールディな音へとベクトルを向かわせることも可能だったのでしょうが、それをせず試行錯誤を繰り返したんだろうなと感じさせる音です。

アルバム3曲目のHolding Onはイントロからきらびやかな音を聞かせてくれていて、まさに朝のドライブにもってこいです。

一方で、きらきらとした音の中にボーカルAdamが持ち味のスモーキーな声で言葉をつむぐ事で、曲が明るくなりすぎず適度な哀愁を持たせてくれています。

とはいえ、一部の曲ではかつてのような浮遊感も健在で、間違いなくバンドとして今できることを最高の音で鳴らしてくれています。

まず初めてレコードに針を落としてそのメロディの良さにノックアウトされて、何周も聞き込んでいくことで更に良さがにじみ出てきて、音楽作品としてこのバランスは理想的です。

今回のアルバムについて各種メディアのレビューを見ているとTalk Talkの名前もちらほら散見されますが、なるほど納得です。

歌のメロディも、バックの演奏も非常にポップでいながら、時おりプログレッシブロックのようにシリアスになったりと、80年代のTalk Talkあたりの面影を感じさせます。

シンセが前面に出ている80年代の音がお好きな方にもおすすめできる作品です。

個人的には、そういったジャンル関係なく、ロック好きな方にはぜひ聞いてみていただきたいと思えるクオリティの作品です。




レコードのデザインをご紹介

このA Deeper Understandingのレコードはジャケットの紙質が少しざらざらしていて初めて手にした際に、紙特有の温かみを感じました。

ジャケットの裏面は↓のようにベースを演奏する姿とサイド1~4までの曲リストが。

ジャケットを開くとメンバーの姿が。

レコードのスリーブにはスタジオの様子が描かれています。

今回のアルバムのジャケットは黒とオレンジ系の色がフィーチャーされていますが、なんとも言えない温かみを感じさせます。

スリーブの裏側と、レコードのデザインは↓のようになっています。

↓歌詞カードも入っています。

歌詞カードの裏面にはスタジオの様子が。

ものすごく味のある写真だと思います。

高評価を得ていることに納得の仕上がり

このアルバムは既に各種レビューサイトで高い評価がされていますが、私も異論はありません。

個人的に大好きなQueens of the stone ageと同じ日にリリースされたということで、少し聞き始めるタイミングが遅れてしまいましたが、勿体無いことをしたなと思うほど大好きな音です。

前作と同じ作風で堅実に評価を得るという方法があったにもかかわらず、果敢に方向性を変えてきたそのチャレンジ精神が結果として更なる高みにバンドを押し上げてくれたのだと思います。

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