【レビュー】Turn Out The Lights by Julien Baker

今回はJulien BakerのTurn Out The Lightsをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Julien Baker
アルバム名:Turn Out The Lights
リリース:10/27/2017
トラックリスト
Over
Appointments
Turn Out The Lights
Shadowboxing
Sour Breath
Televangelist
Everything To Help You Sleep
Happy To Be Here
Hurt Less
Even
Claws In Your Back




少女の苦悩を詰め込んだ音楽はいつしか誰かを救う音楽へ

テネシー出身のシンガーソングライターJulien Bakerによる2ndアルバムは、大きな反響を呼んだ1stアルバムSprained Ankleで見せた音楽面の美しさが感じられると同時に、その音や歌詞に乗せられた彼女の心境は、今作において少しポジティブな方向へ動いたように感じられます。

自分の心にある悲しみや罪悪感を吐き出した結果生まれた1stアルバムでしたが、瞬く間に世界中で大きな反響を呼び、その音楽を求めるファンのもとで音楽をプレイする中で自分の音楽の持つ可能性を強く意識した彼女。
自分と同じように悲しみや葛藤を抱え苦しむ人々がたくさんいるのだと実感し、自分たちは一人ではないんだ、暗い部屋に閉じこもって逃げる必要は無いのだという前向きな感情が生まれたのではないでしょうか。

敬虔なカトリック教徒でありながら、その教義の中で忌み嫌われている同性愛者であることを自覚し苦しんできた彼女ですが、今作には自分本位の歌詞だけではなく、人と人とのつながりを感じさせるものが多くなっています。

1stアルバムでは薬物へ溺れる姿、信仰への疑念、自殺への憧れなど自己の苦悩にフォーカスし彼女の心境にフィットした音を作り上げていったようですが、今作では彼女の従来の世界から一歩踏み出し、外部のアーティストを積極的に取り入れながら素晴らしい音を求め試行錯誤が繰り返されたようです。

個人的には↓のTurn Out The Lights後半で登場する彼女の叫ぶような、搾り出すような歌い方が1stアルバムの頃からの大きな変化ではないかと思います。

惜しげもなく感情をあらわにし、時には声を荒げることもいとわない、しがらみから解き放たれた姿がそこにはあります。

心に大きな傷を負った少女が、自分の心の逃げ道として迷い込んだ音楽の世界でいつしか多くの人々とつながり、次第に周囲の人々の心を癒す手段として音楽を奏で始めました。

今後も彼女の歌声は世界中で求められ、広く人々を救いながら、彼女自身の心の平和にもつながってほしいと願ってしまいます。




2018年1月に待望の日本公演が決定

アルバムをリリースしツアーを行っているJulien Bakerですが、以下の日程での日本公演も決定しています。

東京 2018年1月26日(金) 渋谷WWW
大阪 2018年1月28日(日) CONPASS

今回のアルバムも素晴らしい仕上がりになっており、今後ますます彼女の人気は高まっていくと思いまので、比較的小さなライブハウスで彼女の歌声を堪能できるのは今回のツアーが最後になると思います。
彼女の音楽を生で、しかも至近距離で楽しめる絶好のチャンスですので、興味がある方はぜひ足を運んでみてください。

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