今回はスウェーデンのハードコアパンクバンドRefusedの名盤Shape of Punk to Comeをご紹介します。
アルバム概要
アーティスト:Refused
アルバム名:The Shape of Punk to Come
リリース:10/27/1998
トラックリスト
Worms of the Senses / Faculties of the Skull
Liberation Frequency
The Deadly Rhythm
Summerholidays vs. Punkroutine
Bruitist Pome #5
New Noise
The Refused Party Program
Protest Song ’68
Refused Are Fuckin’ Dead
The Shape of Punk to Come
Tannhäuser / Derivè
The Apollo Programme Was a Hoax
ハードコアの進化系と呼ばれた革新的なアルバム
Refusedが誕生したスウェーデンのUmeåという街は学生が人口の多くを占め、その若さゆえの革新性と爆発力をもとに多くのアーティストが世に放たれました。
Refusedはアメリカのハードコアに影響を受け活動を開始しましたが、多くのハードコアバンドとは異なる道を歩むことになります。
本アルバムを代表するこのNew Noiseという曲を聞いていただいてわかるように、ハードコアと呼ぶにはソフトで、ポップパンクと呼ぶには刺々しいその音に、世界中のハードコア・パンクキッズは当初戸惑いを見せながらも、気づけば皆熱狂していました。
どのジャンルとも捉えがたいその音像は、きっとスウェーデンという土地で柔軟にアートカルチャーを吸収した結果生まれたものなのでしょう。
このバンドの本拠地であるUmeåという街では今もなお音楽のみならず幅広い分野の芸術活動が盛んで、そんな常に革新性を持ち続ける街だからこそRefusedというバンドは常にそのカラーを変えながら進化し続けられたのだろうなと思います。
アルバムの冒頭を飾るこのWorms of the Senses / Faculties of the Skullも不穏なイントロからハードコアのような爆発力を見せつけた後にエフェクターを多用したギターノイズを聞かせる、まさにアバンギャルドな1曲に仕上がっています。
もしニューヨークでこのRefusedというバンドが産声をあげていたのであれば、このようなアルバムは生まれなかったのだろうと思います。(それはそれでどんな音を鳴らしていたのか気になりますが)
ちなみに、個人的にこの曲を聞くとRage Against The Machineが持っていたような爆発力を感じさせられるんですよね。
アルバムの後半を彩るこのTannhäuser / Derivèも弦楽器の壮大な演奏から束の間の小休止をはさむ非常にプログレッシブな音を聞かせてくれます。
ところどころでRefusedというバンドの根源である暴力的な音を撒き散らしながら、静と動を繰り返しうねりを生み出す様はもはやハードコアやパンクという言葉では言い表せない、ロックの進化の一つの到達点と呼べるのではないでしょうか。
事実、このアルバムがリリースされた直後の各音楽メディアの評価は満点が続出するという事態に。
ゴリゴリのハードコアを期待すると肩透かしを食らうのは間違い無いですが、ハードコアの未来をこのRefusedというバンドとともに見つけに行く、そんな気持ちで耳を傾けると非常に興味深く、そしてある種の戸惑いを感じながらも体がその音にノっていることに気づくはずです。
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