【レビュー】Dunedevil by Wear Your Wounds

今回はマスコアバンドConvergeのフロントマンであるJacob BannonのソロプロジェクトWear Your Woundsが2017年にリリースしたDunedevilをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Wear Your Wounds
アルバム名:Dunedevil
リリース:5/19/2017
トラックリスト
Invitation
Great White
Insects
Outsiders
Relic
Steps
Be Still My Heart




Convergeの激しさとは間逆の、ゆったりと心の奥深くまで染み込むかのような作品

ConvergeのフロントマンJacob Bannonは、自らレコードジャケットをデザインするなどビジュアル分野での活動でも知られていますが、今回ご紹介するDunedevilはJacob Bannonという人物を音楽と絵の両面から捉えることのできる作品となっています。

というのも、Dunedevilと冠されたレコードが発売されているのはもちろん、300ページにも及ぶ同じ名称の書籍も発売されているのです。

↓日本では電子書籍としてDunedevilが入手できるようです。

この作品はJacob Bannonがアメリカの東海岸、マサチューセッツ州のC-Scape Dune Shackと呼ばれる場所で1週間を過ごしながら、そこで受けたインスピレーションを音と絵で表現しているため、このようなレコードと書籍でのリリースが行われています。

書籍版には毎日どのようなことをしたのか、何を感じたのかが日記のように記されるとともに、その日に撮った写真や描かれた絵が掲載されています。

もちろん、先ほども述べたとおりアウトプットは絵画のみならず音楽でも行われています。
Convergeといえば絶叫にも似た歌声が真っ先に思い浮かぶかと思いますが、このDunedevilは歌声がほとんど収録されておらず、収録されていてもConvergeのような叫びは姿を潜ませ、どちらかというとゆったりと落ち着いた曲調に寄り添うようなしっとりとした歌声が収められています。

ギターや小さな鍵盤などを用いながら最小限の音数で構築された今作は、ポストロックのようなじっくりと耳を傾けたくなる仕上がりになっており、Convergeのような音を期待すると少し肩透かしを食らうかもしれません。

ですが、腰を落ち着けてじっくりと音に耳を傾けてみてください。聞いているうちに非常にシンプルな旋律にもかかわらず、なぜかこの音楽を聞き続けていたいと思わせる中毒性に気づくはずです。

この音楽に耳を傾けながら書籍版を開き、Jacob Bannonという人物が何を思いこのような作品たちを生み出したのか思いを巡らせていると、美術館で絵画を楽しんでいる時のような、芸術に浸っているという実感が湧いてきます。

この深みを味わっているうちに、Convergeを聞いているときとは間逆の、ゆっくりと心に感動が染み込む感覚に気づかされます。

楽曲の雰囲気、描かれている絵画のイメージは↑の動画をご覧いただくことで伝わるかと思います。

芸術に愛された一人の男が、それまでのネガティブな経験・ポジティブな経験を全て吐き出し完成させた今作は、音楽が好きな方のみならず、絵画がお好きな方にもぜひ手に取っていただきたい作品に仕上がっています。

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