【レビュー】Remedies by Soup

今回はノルウェー発のプログレッシブ・ポストロックバンドSoupの2017年作Remediesをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Soup
アルバム名:Remedies
リリース:4/17/2017
トラックリスト
Going Somewhere
The Boy and the Snow
Audion
Sleepers
Nothing Like Home




ポストロック、プログレの要素を感じさせるノルウェイ発バンドの最新作

北欧のバンドと聞くと、雄大な自然を感じさせる壮大な曲を作るバンドが多いイメージを受けますが、このSoupについてもSteven WilsonやSigur Rosあたりの空気感を感じさせながら壮大な楽曲を展開しています。

アルバムのイメージは冬の北欧、深い雪に閉ざされた小さな街。

アルバムの中にはボーカルが収録された曲もあれば、インストのみで構成された曲もありますが、それぞれの楽曲に何が必要で何が不要かを分かった上でレコーディングを行ったと思わせる無駄のないアレンジで、たとえインスト楽曲が苦手な人も曲に没頭できるような魅力に満ち溢れています。

このAudionは2分程の短い曲でアルバムの中ではInterludeとして機能していますが、このオルガンの音を聞いているだけで目の前にステンドグラスのある風景が広がり、まるで厳かな協会の中にたたずんでいるかのような錯覚に陥ります。

シンプルな曲ながら、アルバムのこの位置にどのような曲を持って来るべきか理解した上での絶妙な配置に思わず唸ってしまいます。

この曲に続いて聞こえてくるのはSleepersという楽曲ですが、こちらは優しいボーカルの歌声が幽玄なバックの演奏の中を漂います。

途中フルートでしょうか、笛の音が聞こえ優しさと温かさが染み渡るようですが、そこから少し曲調が変わりギターが前面に押し出されそれまでのやわらかい雰囲気は一掃されます。

ほどよい緊張感の中で曲は最大の盛り上がりを迎えますが、このあたりの曲展開はポストロック特有のもので、よくありがちながらもしっかりと聞き手の耳を離しません。




心が欲するピュアな音楽

音楽といっても幅広いジャンルがあり、パッと聞いて心躍るもの、しばらく聞き続けないと本当の良さを見出せないものなど様々ですが、このSoupは始めて聞いたときの心のときめきと、聞き込む中でたくさんの発見を得られるという2面性を持ち合わせたハイブリッドな音楽です。

発売されて久しいですが、いまだに始めて聞いたときの心に響き渡る心地よさはそのままに、各楽器のアンサンブルの奥深さに驚かされ続けています。

こういった音楽こそ、心が無意識に欲しているもので、だからこそ2017年も終盤に差し掛かろうとしている今でもついつい聞きたくなるのだろうなと思います。

こういった魅力を兼ね備えた作品は名作として後世に語り継がれるのだろうなと思わずにはいられません。

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