【ライブレポ 】Spoon / Live at The Chance Theater

SpoonがHot Thoughts発売後に世界中をツアーで周ってきましたが、遂に北米ツアーが開始!

世界中のライブハウスや各種フェスで演奏を続けてきた彼らの、まさに万全の体制での演奏を聞ける最高の機会。

ニューヨーク近郊でもブルックリンはじめいくつかの会場でライブが行われましたが、その中でも特に小さいライブハウスのThe Chance Theaterのライブに参加してきましたのでその様子をお届けします。

ライブ概要

◆ツアー名:Hot Thoughts
◆日時:12/1/2017
◆会場:The Chance Theater
◆セットリスト
Do I Have to Talk You Into It
Inside Out
I Turn My Camera On
The Beast and Dragon, Adored
Don’t You Evah
Do You
I Ain’t the One
Everything Hits at Once
Can I Sit Next To You
My Mathematical Mind
Don’t Make Me a Target
The Underdog
Got Nuffin
Black Like Me

(Encore)
I Summon You
Hot Thoughts
Rent I Pay




Spoonがライブバンドであることを見せつけられた至福のひととき

アルバムHot Thoughtsを引っさげてのツアーということで、アルバムの楽曲が中心に構成されたセットリストになるかと思っていましたが、蓋を開けてみればこれまでの名曲がズラリと並んだ選曲でむしろHot Thoughtsからの楽曲は数えるほどしか演奏されていませんでした。

Spoonというバンドが長い歴史の中で様々な苦難を乗り越え、バンドとして生き残るために各アルバムに渾身の楽曲たちを詰め込んできたことを考えると当然といえば当然ですね。

かつてレーベルから放り出されどん底を経験したバンドは、今では大型ライブハウスでの公演チケットをソールドアウトさせるほどの大人気バンドとして地位を築いていますが、私が訪れたThe Chance Theaterはかなり小さめのライブハウスで、Spoonの人気を考えると不相応なほどの規模でした。

ライブハウスのどこから見てもステージがはっきり見えますが、少しでもいいアングルを確保しようと開場直後から人が詰めかけあっという間にすし詰め状態に。

サウンドチェックをしていたスタッフがステージから姿を消してからあまり間を空けずにSpoonのメンバーがステージへ登場、1曲目のDo I Have to Talk You Into Itのイントロが演奏されます。

Spoonの楽曲はこれまでレコード等で何度も何度も聞いており、ライブ映像もYoutube等で目にする機会はありましたが、実際にライブに足を運び生で彼らの演奏を聞いたときに感じたあの感動といったら。

5人のバンドメンバーが奏でる音が絡まり合いSpoonというバンドの音になっていることを頭では理解していましたが、実際にステージで各楽器の音がぶつかり合い、それが化学反応を生みながら厚みのある音として響いてくるとかなりの迫力があります。

一歩間違えればスカスカで頼りないアンサンブルにもなりそうな楽曲をガッチリタイトなリズムで固め安心して聞かせられるのは、酸いも甘いもともに経験したメンバー同士の絆があってこそでしょう。

途中ボーカルBrittのギターの音が出なくなるというトラブルにも見舞われましたが、決して焦ることなくギター抜きのアレンジに変更。

Show Must Go Onという言葉がありますが、プロとしてライブの流れを途切れさせず、ショウを続けようとする意地を感じました。

意地、といっても無理をしている様子はなく、むしろ一つや二つ楽器の音が出なくなっても、むしろいいチャンスとばかりに曲のアレンジを変え演奏を楽しむ程の力量があることを誇示したようにも見えました。

ライブのハイライトは、The Underdogのハッピーなリズムでフロアの人々が笑顔で踊っていたあのひと時だったと思います。

曲の合間には全員で手拍子をし、曲のリズムに合わせ踊り、心なしかバンドメンバーも顔がほころんでハッピーな雰囲気が会場を包み込んでいました。

Spoonのシリアスな曲やミステリアスな曲も魅力的ですが、Spoonがポップセンスを爆発させたThe Underdogのような楽曲はライブにおいて欠かすことのできないものです。

Brittがギター一本で弾き語りをしたI Summon Youにも同じことが言えます。Spoonの魅力は多々あれど、ところどころで見せる抜群のメロディセンスはこれからも失って欲しくないなと思わずにはいられません。

曲数にして17曲、約2時間のライブはあっという間に過ぎ去り、最後にRent I Payを演奏して今回のライブは幕を下ろしました。

彼らのレコードを聞いたことがある人の中には、一度聞いてなんとなくメロディがしっくり来なくて聞くのをやめた方もいるかもしれませんが、おそらく一度彼らのライブに足を運べばなぜこれほどまでに人気なのかご理解いただけるのではないかと思います。

Spoonのレコードはもちろん素晴らしい内容なのですが、ライブでの彼らの魅力はレコードのそれを軽々と飛び越え、それまで気づいていなかった曲の魅力に気づかせてくれます。

きっとみなさんも経験あるのではないでしょうか、ライブに足を運ぶことでそのバンドの魅力を再確認し病みつきになったことが。

Spoonは間違いなくライブに魅力が凝縮されているタイプのバンドで、それは映像作品では伝わりきらず、ライブ会場に足を運んで初めて体感することができます。

Spoonファンの方だけではなく、ロックが好きな全ての方にも彼らのライブには一度足を運んで欲しいと思わせる素晴らしいものでした。

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1 件のコメント

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