【レビュー】All American Made by Margo Price

今回はナッシュビルを拠点とするシンガーソングライターMargo PriceのAll American Madeをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Margo Price
アルバム名:All American Made
リリース:10/20/2017
トラックリスト
Don’t Say It
Weakness
A Little Pain
Learning To Lose
Pay Gap
Nowhere Fast
Cocaine Cowboys
Wild Women
Heart Of America
Do Right By Me
Loner
All American Made




メッセージ性と音楽的工夫を感じられる素晴らしいアメリカンミュージック

Margo Priceといえば、デビューアルバムMidwest Farmer’s DaughterがUSカントリーチャートのトップ10入りを果たし話題になったことが記憶に新しいですが、そんなデビューアルバムから1年半ほどのインターバルで届けられたのが本作All American Madeです。

デビューアルバムのヒットを背景に世界中をツアーで回っていた彼女ですが、改めてアメリカの抱える政治的な問題点を無視できないものだと考え、カントリー音楽と政治というあまり親和性が高くないであろうものの融合を試みたようです。

彼女がインタビューで何度も語っていたのは、私たちは何かを考え、それを表明するための「声」を持っているから、それを最大限発信しなければならないということ。

カントリーシンガーとして、彼女なりの方法でその「声」の発信をやって見せることで、私たちを勇気付けおかしいと感じたことへ意見を述べることの重要性を伝えてくれています。

こう聞くと、彼女が作品が社会的なものに成り下がってしまったと敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、あくまで彼女の音はデビューアルバムで聞かせてくれた純度の高いアメリカンミュージックであり、聞き手を選ばない素晴らしいものに仕上がっています。

今作を作り上げる過程の中で、彼女は自分自身へジャンルという足かせをはめず、様々な音楽的エッセンスを盛り込むことを意識したようです。アメリカという比較的歴史の短い国で育まれたアメリカンミュージックは今なお発展途上のものであり、スパイスとして他ジャンルの音楽を積極的に取り入れ、進化させていくのが彼女の世代の役目なのでしょう。

じっくりと彼女の新しい曲に耳を傾けると、ただ単に前作の延長線上のものではなく、アメリカンミュージックを最良のものに仕上げるための工夫がふんだんに散りばめられていることに気づくはずです。

このAll American Madeは、歌詞に込められた強い意志とアメリカンミュージックを担う現代のシンガーソングライターとしての覚悟を感じられる素晴らしい作品に仕上がっています。





↓ブログランキング登録中です
にほんブログ村 音楽ブログ 洋楽へ
にほんブログ村

洋楽ランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です