【レビュー】Puberty 2 by Mitski

今回はMitskiの2016年作品Puberty 2をご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Mitski
アルバム名:Puberty 2
リリース:6/17/2016
トラックリスト
Happy
Dan the Dancer
Once More to See You
Fireworks
Your Best American Girl
I Bet on Losing Dogs
My Body’s Made of Crushed Little Stars
Thursday Girl
A Loving Feeling
Crack Baby
A Burning Hill




複雑なバックグラウンドを持つシンガーによる生々しいサウンド

今回ご紹介するMitskiというシンガーは名前の響きの通り日本人の血を引いていますが、父の仕事の関係で海外を転々としていたそうです。

そのためか自分が何者なのか、アイデンティティをうまく築けない中育ってきた彼女は、その自身の苦悩や葛藤を吐き出すかのような歌をこれまで届けてきてくれました。

おおまかにアルバムをジャンル分けするとオルタナティブロックになるのでしょうが、その枠にとらわれず打ち込みを多用しながら独特の音を築き上げています。

アルバムの冒頭を飾るHappyですが、そのイントロを聞いたときに「何の音だ?」と思っていると曲が始まります。

初めてこの曲を聞いた際に、こういった打ち込みの使い方は非常に珍しいなと曲を聞きながら感心させられたのを思い出します。

ある程度型にはまった音楽を奏でていそうで、実はそうでないのがMitskiの魅力なのだと思います。

曲の編曲にそれが顕著に表れていますが、「どこからその音を引っ張り出したの?」とつっこみたくなる場面が多々あります。

彼女は音楽を作る際にパトリックというパートナーと2人で作業を進めるようですが、自分の信頼できる人だけを側に置き、誰にも縛られずに気になる音を自分の曲に当てはめながら自由に音を作り上げているのでしょう。

ふとしたときに彼女のメロディに聞きやすさを覚えるのは、彼女が日本の歌謡曲が好きということも関係しているのでしょう。

アメリカの7thグレードまでは日系の学校に通っていたとインタビューで語っていましたので、ある程度日本人としての自我も持ち合わせているはずで、日本人特有のメロディへのこだわりも彼女の奥底にしっかりと根付いていることが感じられます。

ノイジーなギターに負けないメロディセンスがあるからこそ、このPuberty2で爆発的な人気を得られたのでしょう。




ライブパフォーマンスも安定して楽しめます

Mitskiのダウナーな歌声はレコードの中だけではなく、ライブでも綺麗に響き渡っており、むしろ音響効果もあってより色気を感じます。

自身の感情を歌として吐き出すスタイルだからでしょうか。表情も見えると音の響き方も変わるような。

マライアキャリーといった歌姫と自分の声を比較して、あまりに声色に差があると落ち込んだこともあるようですが、次第に自分の声が持つ魅力に気付いていったそう。

Mitskiが書く楽曲には彼女の声が一番似合いますし、誰にも真似できない魅力を十二分に持っています。

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