【レビュー】Villains by Queens of the stone age

今回はQueens of the stone ageが2017年にリリースしたVillainsをご紹介します。

QOTSAの他のアルバムもレビューしていますので、よろしければこちらもどうぞ。


アルバム概要

アーティスト:Queens of the stone age
アルバム名:Villains
リリース:8/25/2017
トラックリスト
Feet Don’t Fail Me
The Way You Used to Do
Domesticated Animals
Fortress
Head Like a Haunted House
Un-Reborn Again
Hideaway
The Evil Has Landed
Villains of Circumstance




曲毎のインプレッション

前作…Like Clockworkから約4年、Queens of the stone ageが帰ってきました。

リリース前からそのサウンドについて様々な憶測が飛び交っていましたが、結論から言うと過去の作品と路線を大きく変えてきました。

それがプロデューサーのMark Ronsonが影響しているのか、フロントマンJosh Hommeが様々なプロジェクトを経て出した答えなのか分かりませんが、きっと往年のQOTSAファンは「あ、変わったな」と思うはずです。

アーティストが変化を見せたときのファンの反応は様々で、時には大きな批判を生みかねませんが、インターネット上での評価を見ていると比較的ポジティブな反応が多い気がします。

重く重厚なリフが繰り返されるQOTSAの音楽に対して、これまで「少しとっつきづらい音楽」と認識していた方にも受け入れやすいのではないかと思います。

曲数にしてわずか9曲、それなのに1枚聞き終わる頃にはなかなかの満足感をもたらしてくれるこのVillainsを曲毎に見ていきたいと思います。

 

1. Feet Don’t Fail Me
Villainsをレコードプレイヤーにセットして、針を落として耳を澄ますと…あれ?何も聞こえない?

いえいえ、イントロは既に始まっており、怪しいギターの音が遠くで鳴り響いています。

これまでのQOTSAを髣髴とさせるようなSEが聞こえてきて「おっ、重低音でじわじわ攻めてくるのか!?」と身構えていると突然軽快なギターリフが切り込んできます。

この軽快さこそがアルバム全体を通してのキーワードとなっており、それこそが彼らが変わったと感じざるを得ないポイントです。

    Feet don’t fail me now
    I just gotta move on

という歌詞のフレーズは、これまでの自分たちの音と決別して、新たなスタイルで突き進もうとするQOTSA自身を励ましているような、そんな印象を受けます。

 

 

2. The Way You Used to Do
アルバムからの1stシングルとしてファンにはもうお馴染みとなったこのThe Way You Used To Doですが、特筆すべきはその前のめり気味なリズムでしょう。

その軽快なリズムに乗せて歌っているのが病的な愛の歌だったなんて思いもしませんでした。

    If the world exploded behind us
    I never noticed if it done
    Let nobody dare confine us
    I’ll bury anyone who does
    But it doesn’t matter now
    Just come and love me how
    Like the way you used to do

「相変わらず」なダークというか病的というか、QOTSAらしい内容で安心します。

 

 

3. Domesticated Animals
この曲のリフは往年のQOTSAを髣髴とさせる彼ららしいものに仕上がっています。

冒頭の2曲を聞いた後だとそのゆったりとしたテンポが際立っていてギターリフのうねりを強く感じますが、どこかヘヴィネスは控えめなんですよね。

アルバムトータルとしてのバランスを考慮した上での音作りとなっているのでしょうね。

 

 

4. Fortress
このFortressという曲はインターネット上でも評価が高いですね。

その要因となっているのはその美しいメロディでしょう。

バンドサウンドに合わせて神秘的なサウンドエフェクトが乗って、そこにファルセット気味なJoshの声が乗ることで非常に優しい雰囲気の曲に仕上がっています。

    Every fortress falls
    It is not the end
    It ain’t if you fall
    But how you rise that says
    Who you really are

    So get up and go through
    If ever your fortress caves
    You’re always safe in mine

歌詞の内容はFortress-砦-をテーマに、砦にこもっていた人に手を差し伸べる姿が描かれています。

なんだかQOTSAというバンドがものすごくまともなことを歌うように錯覚してしまいます。

 

 

5. Head Like a Haunted House
このアルバムで最もアップテンポな曲ではないでしょうか。

スローでヘヴィな音として有名なストーナーロックというよりは、パンクサウンドに近いものを感じます。

アルバムの特色を一番表している曲を教えて、と言われれば迷わずこの曲をあげますね。

 

 

6. Un-Reborn Again
3曲目のDomesticated Animalsに続き、往年のQOTSAらしさを感じる曲、Un-Reborn Againです。

このスローなテンポと重低音寄りな音もやはりQOTSAの持ち味の一つでしょう。

この曲のJoshのボーカルのセクシーさはアルバムの中でも頭一つ抜けている気がします。

 

 

7. Hideaway
Joshがファルセットを交えながら怪しく歌うHideawayですが、この曲もかなりソフトな音作りがされています。

ただ、歌詞の内容はかなりQOTSAらしい内容になっています。

Hideawayということで隠れ家がコンセプトにあるのでしょうが、この歌詞の主人公は「あなた」をかくまう代わりに、「あなた」を絶対に手放さないと不気味に語りかけていますからね。

    Hideaway
    Hideaway
    You’ll stay fast and lonely
    Never ever need to run and hide from me
    New prey, soft and easy, tangled forever in my arms
    You owe me everything

この曲調にこの歌詞を乗せるかとある意味感心させられた曲です。

 

 

8. The Evil Has Landed
アルバムからの2ndシングルとしてリリースされていたThe Evil Has Landedですが、私もSpotifyで何度も聞いていました。

しかし、デジタル音源を聞いていた時よりもレコードで聞いたほうが音の迫力が増している気がするのは私だけでしょうか。

Close…Come close…という不気味なささやきから始まって、曲の後半ではギターリフがたたみかけるように押し寄せてきて、ライブで盛り上がること間違いないでしょう。

シングルとして聞いていた頃よりも、さらに好きになりました。

 

 

9. Villains of Circumstance
アルバムの最後を飾るこの曲は、それまでの曲でヒートアップした気持ちを落ち着かせるようなダークで耽美な音を鳴らしています。

最後の最後までQOTSAらしさを失わないのは、その歌詞の内容のせいでしょうか。

Joshがニヤけ顔でこの病的な歌詞を歌っていると思うと、ただ美しい曲と聞き流すことはできず、またアルバム冒頭へ戻りたくなってしまいます。

    Close your eyes and dream me home
    Forever mine, I’ll be forever yours
    Always, evermore, and on and on




アルバム全体を通しての感想

冒頭の数曲を聞いて、「あ、雰囲気変わったな」と思ったものの、アルバムを通して聞き終わる頃には「いい作品だった」と満足させてくれるのはさすが。

多少音が軽くなって、テンポがアップしてもあくまでQOTSAらしさは失っていなくて、むしろライブでこれらの曲を聞くのを待ちきれなくなりました。

冒頭にも述べましたが、QOTSAの音を何となく敬遠していた方にもぜひ聞いていただきたい作品です。

9月にはニューヨークでのVillainsツアーにも参加する予定なので、こちらの様子も後日ご紹介します。

【9/7追記】
ライブに参加してきました!

↓ブログランキング登録中です
音楽ブログランキング
人気ブログランキング

5 件のコメント

  1. ピンバック: Queens of the stone ageが新作VillainsからThe Evil Has Landedを公開 | Pom's Records

  2. ピンバック: Queens of the stone ageの新作Villainsが待ちきれない | Pom's Records

  3. ピンバック: 【レビュー】…Like Clockwork by Queens of the stone age | Pom's Records

  4. ピンバック: 【レビュー】Rated R by Queens of the stone age | Pom's Records

  5. ピンバック: NYの地下鉄駅にQueens of the stone ageのチケットが!? | Pom's Records

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です