【レビュー】White Album by Weezer

今回はWeezerが2016年にリリースしたWeezer(White Album)をご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Weezer
アルバム名:Weezer(White Album)
リリース:4/1/2016
トラックリスト
California Kids
Wind in Our Sail
Thank God for Girls
(Girl We Got A) Good Thing
Do You Wanna Get High?
King of the World
Summer Elaine and Drunk Dori
L.A. Girlz
Jacked Up
Endless Bummer




大きな期待を背負ったカラーアルバム

このWeezerというバンドは重い宿命を背負いすぎているのではないかとたまに思ってしまいます。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、Weezerはセルフタイトルアルバムを何枚かリリースしており、それぞれそのジャケットの色からブルーアルバム、グリーンアルバム、レッドアルバムと呼ばれていました。

Weezerのデビューアルバムの通称ブルーアルバムの人気が強く、その再来を求める声が大きいことからバンドはその後も定期的にカラーアルバムをリリースしてきました。

しかし、初期衝動の詰まったデビューアルバムは強敵のようで、思ったほどの評価を得られていません。

成功したバンドというのは過去の作品との比較が避けられませんが、Weezerは特にその傾向が強かったように感じます。

そんな中、2016年にリリースされたのが今回ご紹介する通称ホワイトアルバムです。

前作Everything Will Be Alright in the EndがWeezerファンから高評価を得ていたため否応無しに今作への期待は大きくなっていましたが、その期待を裏切らないクオリティのアルバムとなっています。

とはいえ、Weezerに対して私は過去のアルバムがどうだった、今作がどうだとはどうも言いたくないんですよね。

アルバム1曲目のCalifornia KidsからはWeezerらしい素晴らしいメロディが次から次へと押し寄せてきますが、あくまで今のWeezerの音でしかなくて、そこにはブルーアルバムも、ヒットアルバムのピンカートンも無いんです。

今作をとりまくのはカリフォルニアのビーチの香り。
照りつける太陽と軽やかなステップ、そして時々憂い。

2曲目のWind in Our Sailも1曲目の雰囲気を引き継ぎ非常に爽やかで聞いていてスカッと抜ける音になっていますが、3曲目のThank God for Girlsでは少し不穏な曲調へ。


ここまで快晴のカリフォルニアが広がっていたとすれば、この曲は黒い雲に覆われたビーチ。

ギターの音がより前面に出て、そのドロドロとした歌詞の世界をうまく彩っています。

かと思えば続く(Girl We Got A) Good Thingではまた軽やかなサウンドが。

このアルバムは陽の間に陰がうまく挟まれており、アルバムに抑揚を持たせています。

1曲目のCalifornia Kidsのようなスカッと突き抜ける音楽だけを詰め込んでもそれは中だるみを生むだけで、そこはさすがWeezer、アルバムをどう構築すべきかしっかり分かった上で選曲されています。

私はブルーアルバムも当然素晴らしいアルバムだと思いますが、ホワイトアルバムは熟練バンドとしての経験やアイデアが詰め込まれているように感じられる、非常に味わい深い作品です。

久しくWeezerの作品を聞いていないな…という方は本作を手にとってみてはいかがでしょうか。

Weezerも私たちも年齢を重ねて何らかの変化を経ていると思いますが、今作はかつての彼らの姿をどこか感じさせながらもあくまで「今」の音が詰まっており、初期のWeezerを愛した人たちの「今」の耳には懐かしくも新鮮に響くと思います。




White Albumリリースイベントレポート

実はWhite Albumリリース日の2016年4月1日にニューヨークのレコードストアRough Tradeで行われたリリースイベントに参加しましたので、その様子を少しご紹介します。

この日はアコースティックライブということで、非常にリラックスした雰囲気でライブが行われました。

ホワイトアルバムに収録されている曲たちはアコースティックだとその爽やかさが強調されて、それはもう最高の演奏でした。
演奏されたのは↓の5曲です。
California Kids
L.A. Girlz
Do You Wanna Get High?
Slave
King of the World

購入したばかりのホワイトアルバムにメンバーからサインをいただきました。
私が日本人であることを話すと笑顔で「ハジメマシテ」と返してくれたリバースの気さくさは今でも忘れられません。

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