【レビュー】In the Court of the Crimson King by King Crimson

このジャケットを見ればピンとくる方も多いですよね。私も大好きです。
ということで、今回のアルバムレビューはKing CrimsonのIn the Court of the Crimson Kingです。

アルバム概要

アーティスト:King Crimson
アルバム名:In the Court of the Crimson King
リリース:10/10/1969
トラックリスト:
21st Century Schizoid Man
I talk to the wind
Epitaph
Moonchild
The Court of the Crimson King




BeatlesのAbbey Roadをチャート1位の座から引きずり下ろした?伝説のアルバム

最高にインパクトの大きいジャケットのみならず、このアルバムはいろいろと話題豊富なアルバムです。
たとえばBeatlesのAbbey Roadをチャート1位の座から引きずり下ろしたと言われています。
(実際はIn the Court of the Crimson Kingは全英5位にとどまったようですが)

また、King Crimsonのライブを見てロバートフリップのギターに感銘を受けたジミヘンドリックスが、
「心臓に近いほうの手(=左手)で握手してくれ」と言ったのも有名な話。
この作品は何もかもが規格外で、その当時の音楽シーンを相当に賑わせたことがこれらのエピソードからも分かります。

肝心の作品の出来ですが、これまたものすごい完成度。
1曲目の21st Century Schizoid Manのイントロのギターから度肝を抜かれ、加工されたグレッグレイクの声が不気味に響き渡り、かと思えば長尺のインプロビゼーションが始まって…。

King Crimsonが登場する以前からPink Floydといった複雑な音楽性を追求するバンドは存在していましたが、King Crimsonはロックをベースにジャズなどの要素を取り込んでいき、他のプログレバンドとは一線を画した存在へと成長していきます。非常にロマンチックな曲も多く世に送り込んでいますが、私はその攻撃的な音こそがKing Crimsonたらしめている最も大きな特徴だと思っています。

1曲目を終えると、次第に幻想的なI talk to the windやEpitaphといった曲たちが心地の良いプログレッシブロックの世界へ誘ってくれます。
この頃のKing Crimsonは作詞専門のメンバー、ピートシンフィールドを擁していただけあってその幻想的な歌詞も魅力の一つです。
先述のEpitaphは「Confusion will be my epitaph(混乱こそ我が墓碑銘)」という有名なフレーズが使われており、その他の曲も神秘的・幻想的でぜひ歌詞カードをお手元に耳を傾けていただきたいです。

Moonchildで童謡のような歌詞と物悲しいメロディーを堪能した後は、The Court of the Crimson Kingの壮大なメロディーでこのアルバムは締めくくられます。




King Crimson全般に言えることですが、文章で書き綴るのが難しいインプロビゼーション(楽器による即興)こそがKing Crimsonの大きな魅力の一つと思います。
まだこの作品を聞いたことがない方はぜひこの機会にアルバムを通して聞いていただければと思います。
久しぶりに聞きたいという方も、リマスターされ音質が改善されてたアルバムが出ていますので、ぜひ今の技術で蘇ったKing Crimsonを楽しんでみてください。

本作以外のアルバムも非常におすすめですので、興味のある方は以下の作品たちもチェックしてみてください。

 

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